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LOGISTICS

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#002

株式会社日立物流
グローバル新規顧客営業開発

鯨岡 周 さん

2003年入社

30歳で、タイの拠点を立ち上げた。
ロジスティクスで、世界をつなぎたい。

物流は体をめぐる『血液』と似ていると思ったんです。

 鯨岡周さんは、大学で外国語を学んだ後、2003年に新卒で日立物流に入社。神奈川県内で6年間、エリア営業や物流センターで働くスタッフのマネージメント、現場のオペレーションを経験した。
「社会を人体にたとえると、物流は『血液』と同じ役割を果たしているというイメージがありました。物流事業者がいないと、お客さまに商品を提供できません。たとえば、コンビニで買ったペットボトルのお茶も、コンビニにたどりつくまでにいくつもの工程があります。メーカー、小売、エンドユーザーまでつないでいるのが、まさしくわれわれの業界。だから、物流は体をめぐる『血液』と似ていると思ったんです。」

大切なのは、ロジスティクスの現場での経験でした。

 2009年に、日立物流が新設したタイ中部アユタヤ県の物流センターに、30歳で赴任した。製造業を中心に日本企業の海外進出が進み、物流事業者も海外へ拠点を広げ始めたころ。鯨岡さんはセンター長として、現地で採用した400人の教育を行い、業務サービスの下地を作り上げる。
「現地スタッフをまとめるタイ人のリーダー候補を育てながら、一緒に勉強しました。スタッフは400人いましたが、日本人は私と先輩の2人だけ。30そこそこで、いきなり数百人を動かすのは大変でしたよ。でも、伝えたいことは、目でも表情でも、通じるんです。大切なのは、ロジスティクスの現場での経験でした。」
 もちろん、失敗もあった。ある朝、鯨岡さんの机にスタッフからの手紙が置いてあった。
「事務の女性に訳してもらうと、〈社員食堂のご飯がまずい〉〈ご飯の量が少ない〉と書いてありました。失敗した!!!って、思いました。私は社員食堂のご飯を食べていなかったんです。街に一軒だけあった日本食のお店に食べに行っていて、社員食堂の状況を把握できていなかったんですよ。食事も含めて、働きやすい環境を整えないと、みんないい仕事はできませんね。これも我々が気配りすべきことですから。」

 2017年に帰国するまでの8年間、バンコクの現地法人でタイや周辺国の新規営業開発にも携わった。新しい顧客を開拓し、物流の困りごとを聞き出してソリューションを提案する仕事である。
 陸続きであっても、国境を越えてものを輸送することは容易ではない。一例をあげると、タイや周辺国では、タイ当局から許可された一部のトラック以外は、貨物を積んだまま越境できない。貨物の積み換えで渋滞したり、通関手続きが複雑だったり、商品や必要な部品の供給には数々の障壁がある。
「たとえば、ラオスという国には海がありません。ラオスで事業しようとすれば、必要な物資を陸続きの国境を越えて運び入れるしかない。北のベトナムの港か、南のタイの港まで船で運んで、トラックに積み替える。当時、ラオスとタイは交流が盛んだったので、他企業と連携しながら、タイ経由の物流ルートを確保していました。」

日立物流のECプラットフォームセンター(埼玉県春日部市)の「搬送コンベヤ」。

日立物流のECプラットフォームセンター(埼玉県春日部市)の「棚搬送ロボット(AGV)」。

物流営業とは、お困りごとに対して、低コストで解決策を提案すること。

 現在の所属は、営業部門。ここでも、海外での経験を生かし、海外進出する企業に向けて、それぞれの国の実情に応じたサプライチェーンを提案している。
「いま、担当しているのは、インドです。先日、上司と7日間、インドに視察に行っていました。インドって、広いんですよ。南端から北端までの距離が、マレー半島の付け根から中国の重慶までの長さになるんです。この2500キロの間にどんなマーケットがあるのかな……と、じっくり見てきました。」
 物流営業とは、「お困りごとに対して、低コストで解決策を提案すること。」と鯨岡さん。それが、面白さでもあり、難しさでもあるという。「じつは、通販番組が好きなんですよ。先日も、風呂の排水溝の掃除が嫌だな……と思っていたら、テレビで〈これでお父さん! あなたの仕事が減ります!〉って、高圧洗浄機を紹介していたんです。定価は2万4千円。でも今日だけ8千円値引くと言っていて、つい買ってしまいました。お客さまたちも、課題に直面して困っているときに、〈こうしたらいいですよ〉って教えてくれる人がいたら、安心しますよね。」

取材中、偶然出会った先輩・鈴木英世さん(右)とECプラットフォームセンターのセンター長・村上宏介さん(中央)と談笑。

物流を知ると、日本がどう動いていくのかが、わかるんです。

 担当する顧客の商品は、食品から産業プラントまで、じつにさまざま。入念な調査や分析は必須で、過去の経験が通用しないことも多い。
「世の中を知るには、物流業は最強だと思うんです。ものが動くということは、経済が動くということ。物流を知ると、日本がどう動いていくのかが、わかるんです。」
 いま物流業界はAIやIoT、ロボティクス等の新しいテクノロジーの活用による変革期を迎え、今後は資本力のある会社が生き残るともいわれている。
「企業の統合も進み、メガ企業が登場するのではないでしょうか。一方で、規模は大きくなくても、特色のあるサービスを展開する企業にもチャンスはあると思います。いずれにせよ、世界で満足していただけるサービスを提供していくには、企業の枠を超えてタッグを組む時が来ていると感じています。」

職種
概要

株式会社日立物流
グローバル新規顧客営業開発

くじらおか いたる

鯨岡 周 さん

2003年入社

1979年茨城県生まれ。大学卒業後、2003年に株式会社日立物流に入社。神奈川県の物流センターで、エリア営業や物流センターのマネージメントを経験する。7年目でタイに赴任。現地で物流センターの立ち上げや、周辺国の営業に携わる。8年間の勤務の後、2017年から現職。巨人ファンで、会ってみたい人は長嶋茂雄終身名誉監督。

  • どんな仕事?

    海外へ進出する企業が、現地での生産〜消費者への販売までをスムーズに行えるように、現地の諸事情に合わせたサプライチェーンを提案します。たとえば、陸続きの国境であっても、貨物を積んだままのトラックは越境できないことも多い。通関手続きも複雑です。そうしたあらゆる物流の困りごとを、日立物流が持つ輸送ルートや他企業との連携で解決します。

  • どんな人が向いている?

    困っているお客さまに向き合い、ソリューションを提案できる人がいいです。お客さまが抱える物流の課題を的確に把握し、最善の解決策を見つける分析力が求められます。また、海外で働きたいと考えている人にはぴったりです。若いころから海外の現地法人などで活躍するチャンスがあります。最近は、海外志向の強い新入社員も多いです。

  • どんなキャリアプランが描ける?

    入社後、国内のエリア営業や、物流センターのマネージメントを経験しました。入社7年目に、タイに赴任。物流センターの立ち上げや、東南アジア全域での営業開発・営業企画を担当しました。横断的な人事異動も多いので、国内や海外、部署の垣根を越えたさまざまな仕事に挑戦できます。将来的には、国内外にいる魅力的な人材をつなぐような、人事の仕事にも興味があります。

  • この職種の難しさ、面白さは?

    お客さまが取り扱う商品は、業種によってさまざま。ですから、商談前に商品や商圏、お客さまの歴史を分析するのはもちろん、情報やトレンドに敏感になっていないと話になりません。全世界には多数の物流事業者が存在します。お客さまに弊社を選んでいただけるように、いかにサービスや価格を差別化して提案していくことができるか……。そこが、一番面白いところだと思います。