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LOGISTICS

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#001

三菱商事ロジスティクス株式会社
自動車ソリューション部

田中 裕貴 さん

2008年入社

社会を動かしている自負がある。
物流なくして社会はまわらないから。

<表>で起きていることを、<裏>で自分たちが支え、動かしている。そういうイメージでした。

 田中裕貴さんは、大学時代、もっぱらホテルでアルバイトをした。宴会や結婚式の配膳・会場設営・運営などの裏方だ。かならずしも予定通りには進まない会を、進行や料理を出すタイミングを変えることで、うまくコントロールする。主役は会の主賓や新郎新婦だが、その人たちが表舞台で輝けるのも「自分たちが裏方として物事を動かしているから」という自負があった。
 将来の職業を考えはじめたとき、楽しそうに思えたのが、物流業界だった。「ネット通販の翌日配送など、世の中はどんどん便利になっています。でも、物流事業者なしにはサービスは成り立ちません。ホテルスタッフと同様に、<表>で起きていることを、<裏>で自分たちが支え、動かしている。そういうイメージでした。」

あれやこれや試行錯誤の末に、うまく行った!
……というときが一番楽しいです。

 2008年の入社以来、田中さんは、一貫して自動車関連物流を担当している。自動車メーカーに出向して、ロシアの自動車組み立て工場の立ち上げにも参加した。物流の面白さにあらためて目覚めさせられたのは、ロシア現地法人へ赴任した社会人8年目のころ。海外から送られてくる自動車部品を、工場へ納入する仕事を担当していた。
 自動車部品を積んだコンテナは、日本やタイから船で輸送され、エストニアの港に集約される。田中さんの役割は、車を組み立てる日に合わせて、工場のあるロシア南西部・カルーガまでの物流を手配することだった。
 それらの部品は、生産計画に合わせて日本やタイから出荷される。コンテナをエストニアに仮置きして、スケジュール通りにカルーガへ送ればいい。だが、必ずしも予定通りには、いかない。工場での製造日程が変わったり、荒天で部品を運ぶ船が遅れたりすることもある。そういう不測の事態に直面したときに、代替の輸送方法を探り出し、手配し、実現させて、工場の生産をつないでいく。
「代わりの部品を日本やタイから飛行機で調達しよう。」
「船は遅れているが、鉄道ではなくトラックで運べば間に合う。」
 刻一刻と変わる状況に合わせ、最適な輸送方法を顧客に提案する。
「物理的にどうしようもないことと、自分の力でどうにかできること、その狭間でいかに対応策を見つけ出していくか。あれやこれや試行錯誤の末に、うまく行った!……というときが一番楽しいです。」

見た目のダイナミクスさとは裏腹に、丁寧に、かちっと、細かい気づかいができないといけません。

 輸送にコストはつきもの。不測の事態が起きたときに、追加費用をいかに抑制するか。これも、大切だ。予算が潤沢にあれば、飛行機で輸送するのがもっとも速い。だが、一度に運べる量が少ない上、コストが高く、顧客のためにもならない。一刻を争いながら、より低コストの手段を探さなければならない。 「じつは、輸送費用が高いほうが、物流事業者は儲かるんです。ただし、コストがかさんで、自動車が売れなくなったら、結果的に、輸送する量も減る。お客さまのためにコストを抑えることで、わたしたちが取り扱う物量が増えて、売上げ増につながる。そういう良いサイクルで、お客さまと一緒に成長していくべきなんです。」
 ロシアに約4年半勤務した後、今年8月に帰国。現在の仕事は、おもに自動車部品や完成車の海外輸出の取りまとめである。部下を束ねる立場でもあり、日々、とても忙しい。
「物流は、見た目のダイナミクスさとは裏腹に、丁寧に、かちっと、細かい気づかいができないといけません。あくまでも裏方であって、華々しい業界ではないんです。」

田中さん愛用の計算機と手帳。多忙を極める運賃更改対応の真っ只中、取材を引き受けてくださった。

<表>と<裏>で手を組んで、ともに成長していく。

 これからの業界の発展には、ただ運ぶだけでなく、どう運ぶかをお客さまと一緒に考えていくことが必要だと、田中さんは言う。
「単純に<AからBへ物を運ぶ業務>だけでは、物流業は立ち行かなくなっていくと思います。もちろん、そういう業務も大事ですが、運ぶだけなら、誰にでもできます。お客さまサイドに立って、コスト抑制や業務改善をしていきながら、不可欠のビジネス・パートナーになる必要があります。<表>と<裏>で手を組んで、ともに成長していく。それが、これからの物流にはマストだと思っています。」

会社の前で、後輩の左右田朋樹さんと。「とてもやさしい先輩です」と、左右田さん。

職種
概要

三菱商事ロジスティクス株式会社
自動車ソリューション部

たなか ゆうき

田中 裕貴 さん

2008年入社

1984年千葉県生まれ。父の仕事の関係で、東京、神奈川、米国で少年時代を送る。大学卒業後、2008年に三菱商事ロジスティクスに入社。自動車関係の輸出手配に携わる。4年目に自動車メーカーへ出向し、ロシアの自動車組み立て工場の立ち上げに参加。ロシアで約4年半の勤務の後、2019年8月から現職。横浜DeNAファンで、会ってみたい人は、三浦大輔2軍監督。

  • どんな仕事?

    自動車や関連部品の海外出荷をアレンジ(手配)する仕事です。予算や到着日など、お客さまの希望に合わせて、船を手配します。海上輸送が基本ですが、悪天候で船の到着が遅れるなどのトラブルが発生した場合は、航空機輸送などの代替案を探して、お客さまに提案します。刻一刻と変わる状況に合わせて、最適な方法を見つけていきます。

  • どんな人が向いている?

    細かいところに気配りできる人が向いています。実際に、社員には“細かい人”が多い(笑)。スケジュール管理の苦手な人には、仕事を回せません。常にお客さまのことを考えて、細かい気遣いができるかどうかも大切ですね。大学で学んだ専門分野に関係なく、誰でも挑戦できる仕事ですよ。

  • どんなキャリアプランが描ける?

    私は、入社以来、自動車物流部門にいます。1〜3年目は、自動車部品の輸出をアレンジする業務を担当。4年目で自動車メーカーに出向し、8年目の2015年からはロシア現地法人に赴任。最近では、入社3年目ぐらいで海外へ駐在する社員も増えてきました。

  • この職種の難しさ、面白さは?

    自分の力でどうにかできること、物理的にどうしようもないこと。その狭間でいかに問題を解決していくかが、魅力でもあり、難しさでもあります。たとえば、船が嵐に遭って到着が遅れて、必要な部品がどうしても間に合わない場合は、航空機で輸送したり、鉄道より速いトラックで運んだりすることをお客さまに提案します。刻一刻と変わる状況に合わせて、自分が一番良いと思う輸送方法を提案して、その結果として生産活動がきちんと回っていくこと。それが、最高に楽しい。