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LOGI GUIDE [知る]

モノを動かす仕組み①[マテハン機器メーカー]

労働力不足を克服するための切り札

 マテハン(=Material Handlingの略称)という言葉を知っている大学生がいるとしたら、物流の勉強をしたことのある方か、よほど関心の高い方ではないでしょうか。
 マテハンとは、生産や物流の現場でモノを効率的に「保管する」「搬送する」「仕分け・ピッキングする」ことを意味しています。従来は人手に頼っていたこうした作業を、自動化し省力化するためのシステムを作っているのがマテハン機器メーカーです。
 物流に求められる精度やスピードが飛躍的に高まるなか、より高度な物流戦略を実現するためにマテハン機器も進化してきました。代表的な機器としては、モノが入った何千何万ものケースを巨大な棚に自在に出し入れできる立体自動倉庫や、荷物を素早く行き先別に分類する高速仕分けシステムなどがあります。
 近年は、人手不足や経営の効率化にむけて物流の合理化を追求する動きが加速しています。AIやIoTを活用した新しいマテハン機器の開発も続々と進められており、経済発展が続く中国やインドなどでもマテハン活用に対する注目度は高まっています。
 あまり知られていませんが、日本は“マテハン大国”です。マテハン機器メーカーとして4 年連続で世界一の座にあるダイフクを筆頭に、複数の企業が売上高上位にランクインしています。日本の企業の厳しい要求に応えることで磨いてきた技術力が、近年になって開花しているのです。

  • マテハンとは

    マテリアルハンドリング(Material Handling)の略称

    「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」するための設備と、設備の動きを制御・管理するためのソフトウェアを組み合わせ、スムーズなモノの流れを作る仕組みです。

  • 搬送

  • 仕分け・ピッキング

  • 保管

その道のプロに聞く!

マテハン機器
メーカー

細川 誠さん

株式会社ダイフク

人事総務本部人事部
人材開発グループ 参事

細川 誠さん

※ 所属・役職は取材当時

売上高世界一を維持している理由

 1937年に設立したダイフクは、高度成長期に自動車メーカーの工場にコンベヤシステムを納入したことをきっかけにマテハン機器メーカーとしての道を歩み始めました。1966年に日本初の自動倉庫を納入して物流分野に進出し、80年代には流通分野のマテハンや「半導体・液晶生産ラインシステム」を手掛けるようになりました。
 2000年以降はネット通販の盛り上がりと、人手不足によって物流分野に“自動化の波”が押し寄せ、当社もこの波に乗りました。その後、「空港向けシステム」を本格的に手掛けるようになり、海外でのM & A を積極化。現在、23の国と地域で事業を展開しており、海外売上高比率は67%となりました。
 ダイフクの強みは、コンサルティングからアフターサービスまでの一貫した体制です。
当社の営業担当者の業務内容は、お客さまそれぞれの経営戦略に合ったソリューションを企画・提案することです。自動倉庫と言っても、サイズや仕様などをお客さまのニーズに合わせるため、まったく同じモノはありません。技術部門などと連携し、お客さまの声に耳を傾けながらオーダーメイドのマテハン機器を販売しています。

「ユニクロ」の世界戦略を支える
パートナーでもある

写真:ダイフク提供

ロジスティクスのプロに聞く!