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LOGI GUIDE[知る]

モノを売る[小売業]

時代の最先端で進化しつづける流通

 消費者の生活に密着した小売業は、大学生にとっても身近な存在だと思います。しかし、高度に発達した小売業が物流のバックアップなしに成り立たないことは、あまり知られていません。コンビニエンスストアが物流革新を前提に成功したことは産業界では周知の事実ですが、では以前の小売業の物流はどうなっていたのでしょうか。
 日本で小売業が自ら物流を手掛けはじめた時期は、約60年前に小売業界で“チェーンストア”が成長しはじめた時期と重なります。商品を仕入れるための物流はそれまで卸売業などが一手に担い、小売業は店舗運営に専念していました。チェーン小売業が台頭して、本部でまとめて安く仕入れた商品を傘下の店舗に供給するようになって物流を効率化する理由が生じたのです。
 小売業の物流管理には、常に商品が流れているという特徴があります。すぐに欠品しない程度の商品を店舗に置いている一方で、物流センターには特別に事情のある商品以外ほとんど在庫をしません。店頭で売れた商品をタイミングよく補充することが小売業の物流にとって最大の役割です。
 コンビニのように小さな店舗で、弁当・惣菜のように賞味期限が極端に短い商品を扱うためには、1日に何度も店舗配送を実施することもあります。また、大手コンビニチェーンのように1万店を越す規模になると、店舗の新規オープンや閉鎖が頻繁に発生します。こうした変化に対応していくうえでも、高度な物流管理が求められることになります。

小売業のサプライチェーン管理の例

小売業のサプライチェーン管理の例

その道のプロに聞く!

小売業

大野 泰さん

株式会社ファミリーマート

商品・物流・品質管理本部 
物流企画部長

大野 泰さん

※ 所属・役職は取材当時

社会インフラとしてのコンビニ

 コンビニにとって店舗は、目で見える部分では例えて言うと“氷山の一角”です。水面下には情報システムや物流システムなど大規模な仕組みがあります。変化に対応しつづけるために、見えない部分でしっかりと店舗を支えています。
 物流システムは、お客様が欲しい商品を、欲しいときに、欲しい量だけ供給するために重要です。天候やイベントなどで販売量が増えるときには、販売のピークに間に合うようにタイミングよく商品を供給する必要があります。
 そのために全国に約170カ所の物流センターを構えています。温度帯別に共同配送便を運行しており、サンドイッチや惣菜などの「定温便」は1日3回、店舗に配送。徹底的に鮮度にこだわるコールドチェーンを、メーカーや物流センターの段階から構築しています。
 定温センターからの配送便はトラック1台で8店舗程度を回りますが、新店がオープンすればルートの見直しが必要になります。その都度、コースを最適化したいところですが、お店が商品を受け取る作業予定などを考えると、そう頻繁に変わるのも望ましくありません。今は年に2回、実績を見ながら配送コースを見直しています。
 こうした業務を担う物流部門の担当者は、社内外の多くの人たちとコミュニケーションをとります。いろいろな意味で合理化に取り組む機会も多いため、そうしたマインドを持っていることが重要です。最近では入社したときから物流部門への配属を希望する人も少しずつ増えてきています。

店舗にとって最適の物流インフラを構築してきた

定温物流(通過型センター) 物流フロー

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