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LOGI GUIDE[知る]

モノを作る[製造業(メーカー)]

モノづくりの競争力を左右する物流

 メーカーの本業は製品を作り、ユーザー(企業や消費者)に届けることです。求められるのは完成品の物流だけではありません。原材料や部品を工場に仕入れるときも物流は必要ですし、工場内でモノを移動させるのも物流の役割です。
 こうした物流業務を徹底的に効率化したのがトヨタ自動車のジャスト・イン・タイムです。同社は、この管理手法を調達先の部品メーカーにまで広げました。サプライチェーン全体が強くならなければ完成品の競争力を高められないからです。
 かつての日本では、サプライチェーンの効率化をメーカーが牽引していました。しかし、1980年代以降に小売りチェーンが急速に力をつけてからは、小売業がサプライチェーンの改革を主導するようになりました。この傾向は今もどんどん強まっていて、ユニクロやニトリのように小売業から出発して製造まで手掛ける企業も出てきています。
 こうしたなかでメーカーが生き残るためには、他には作れない独自の製品を開発し、物流面では顧客の要請に応えつづける必要があります。簡単な状況ではありませんが、モノづくりが元気をなくせば日本経済の強みも失われかねません。メーカーが果たすべき役割は一層大きくなっています。

日本の製造業の多くが取り入れている
『トヨタ生産方式』

トヨタ生産方式

その道のプロに聞く!

製造業
(メーカー)

山下 太さん

花王株式会社

SCM部門
ロジスティクスセンター長

山下 太さん

※ 所属・役職は取材当時

生産と販売を見て全体を最適化する

 当社の販売チャネルは、いわゆる直販体制を採っています。他のメーカーとは違い、花王グループには卸があります。一般的なメーカーは卸に出荷するところまでしかスコープに入っていませんが、花王の場合は小売りの売上実績をベースに活動できるところに特徴があります。
 受注情報や小売りの販売計画からロジスティクス部門が製品の販売予測を立てます。そして、この「ひとつの予測情報」に基づいて、在庫設計を行い、それに沿って小売り店舗への配送計画や、物流センターへの輸送計画、花王の工場の生産計画などを策定します。花王は33年前からTCR(トータル・コスト・リダクション)活動を続けていますが、商品のパッケージデザインを変更して輸送効率を高めるといった改善にも取り組んでいます。
 当社にとってロジスティクスは、モノづくりのなかの橋渡し役です。製品をピッキングしたり配送する仕事も当然手掛けていますが、もう少し大きな観点から、生産と販売の両方を中立の立場で見ながら全体を最適化しています。
 花王のロジスティクス部門はデータを使って業務を進めることが多く、統計的なデータ処理をできる人材を多数採用しています。ただ学生さんに強調しておきたいのは、データを扱うだけの部署ではないということ。現場に入り込んで、自分がデータを分析し、改善提案をすることで現場がよくなることを実感できます。こういう仕事はなかなかありません。ロジスティクス部門の仕事の魅力のひとつだと思っています。

物流効率を考えて
製品パッケージを見直した事例

製品パッケージを見直した事例

ロジスティクスのプロに聞く!